水のコラム
排水トラップとは?種類や仕組みを分かりやすく解説
2022年12月02日
水回り

排水溝からの悪臭を防いだり、害虫などの侵入を防ぐ役割を持っていて、キッチンや浴槽、洗濯機にはトップが使われています。
とても役立つ設備ですが、種類も多く定期的に掃除をしておけなければ、つまりの原因になります。
そこでこの記事では、種類や仕組みを分かりやすく解説していきます。また、つまりを起こしてしまった場合の緊急対処法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
排水トラップの種類
トラップの種類は大きく分けて、2種類が存在します。サイフォン型と呼ばれるタイプと非サイフォンと呼ばれるタイプに分類されます。コーヒーサイフォンなどと同じ原理です。筒が液体で満水になると、水が流れていくのです。
S字やP字、U字などはサイフォン型になります。一方、わん型やドラム型は非サイフォンの種類に分類されるのです。ここからは、それぞれの特徴やタイプを分かりやすく解説していきます。
S字トラップ
S字の形をしている筒を見たことはあるでしょうか。トイレの手洗い場や洗面台に使用されています。横から見るとSの字になっているため、そのように呼ばれているのです。
ちょうど真ん中あたりに水が溜まり、下水からくる害虫や悪臭をくい止める役割をもっています。水が溜まっている部分を封水と呼び、それ以上は臭いや害虫が上がってこられないつくりになっているのです。
P字トラップ
P字トラップは、最近よく見かけるおしゃれなタイプです。つつが壁から出ていて、垂直に抜けていくことが大きな特徴になります。S字やU字は、封水と洗面器との管内が水で埋まってしまう現象が起こりやすいと言われています。
その結果、通常より多く水が流れ破封を起こす場合があります。その点P字では、現象が起こりにくく、安定してる点がP字の特徴です。また位置が床ではなく壁であるため、床のスペースが広く取れて掃除しやすい構造になっています。
U字トラップ
U字にカーブさせて、そこに封水を貯める構造になっているのがU字の特徴です。P字と同様床に抜けるのではなく壁に抜けるため、床のスペースが広く取りやすい特徴になっています。
U字の多くは、屋外の水道管と接続する部分に使用されています。しかし、構造上汚れが溜まりやすい特徴があるので、やむを得ない場合にのみ使用しているタイプです。
わん型トラップ
わん型は管に円筒を差し込んで、その上からおわん型のカバーを差し込んで使うタイプです。器と円筒のすきまに封水を溜めていきます。水を流すとわんの外側に水が流れだし、封水と合流します。
封水は中央の円筒に流れていき、そこから流れていく仕組みになります。また、よく使用されている箇所はキッチンや浴槽などに使われているタイプです。ゴミ受けを外すと、おわん型のカバーがすぐに見えるため、確認しやすくなっています。
ドラム型トラップ
封水をためた器の下部に、汚水を受け入れる配管と下水へ流す管が付いている配管があるのが、ドラム型です。横からみて左の配管を通り、流れた汚水は真ん中にあるドラム型タンクに一旦、溜まります。
ドラム型タンク内の水が満水になると、右側の配管から下水へと流れていく仕組みです。このタイプは大きいサイズのタンクで封水するため、厨房などで使用されることが多くあります。
排水トラップの仕組み
おおまかな種類が分かったところで、次は仕組みについて解説していきます。水道管の途中に水を溜めて、外部からの経路を遮断する器具だと覚えておけば、わかりやすいのではないでしょうか。
また、大まかな仕組みには、どのようなものがあるのかを理解してください。代表的な仕組みは4つあり、それぞれの特徴も違います。ここからは、仕組み別に解説していきます。
水道管の途中に水を溜めておく
洗面台の扉をあけると、シンクの下に配管が見えてきます。シンク下の配管は、特殊な形状をしているため、記憶に残ることも多いのではないでしょうか。この特殊な形状部分に水を溜めておくのです。
そうすることで、下水からの悪臭やガス、害虫などの侵入を防ぐという仕組みになっています。この仕組みを水封と呼び、溜まっている水のことを封水と言います。種類や形状はさまざまですが、この仕組みだけは共通しているのです。
サイホン作用や自浄作用
曲がっているタイプのS字やU字、P字はサイフォン作用で水を下水に流していきます。流れてきた水が、右側のくだを通ってトラップにたどりつきます。
一旦そこで封水され、新たに水が流されると封水が押し流されて下水へと流れていくのです。左側のくだは通常空洞になっていますが、バランスを取ろうとする圧力で、下水へと封水が流されていきます。
破封や封水切れには注意が必要
溜まっている封水が何らかのトラブルで、少なくなってしまう場合があります。この場合、通常機能を損なってしまうため、注意が必要です。これを破封と呼び、下水からのニオイや害虫が上がってきてしまいます。
普段よりシンクや洗面台が臭いと感じたら、破封していることが考えられます。賃貸の場合は、各家庭の排水が一緒に吸い出されてしまい、いっぺんに合流してしまいます。それが原因になる場合もあるため、注意しておきましょう。
メンテナンスは必要?
トラブルが発生した場合には、交換が必要です。使用する場所の掃除をしても、悪臭などが改善されない場合は、交換の時期かもしれません。また長持ちさせるためには、こまめな掃除などのメンテナンスが必要です。
ゴミや汚れを取り除き、専用パイプクリーナーでこまめに掃除を行いましょう。破損している場合は、水漏れを起こす可能性があるため業者へ依頼し、交換することが一番の改善策です。
排水トラップがつまったときの応急対処法
つまってしまったのに、解消させるアイテムが手元にない場合や、簡単にできる方法を探している方も多いのではないでしょうか。ここでは、緊急時にできる対処法をご紹介していきます。
ペットボトルで対処
ペットボトルを使った対処方法では、まずボトルの口を排水口に差し込みます。排水口とボトルの口に隙間ができないようにふさぐことがコツです。そのあと、何度か空気を送ることで、汚れや固形物が押し出されることがあります。
タオルとお湯で対処
タオルとお湯で対処する方法は、水圧を使って汚れやつまりを押し流す方法です。タオルを配管の中に押し込んでから、シンクにお湯を溜めていきます。水位がシンクの半分より少し上くらいになったら、一気にタオルを引き抜きましょう。
パイプクリーナーで対処
パイプクリーナーがすぐに入手できるのであれば、そちらを使用することで、より効果が期待できます。40℃〜50℃の温度で薬剤を温めてから使用すると、洗浄効果もアップします。流し込み時間がきたら、ぬるま湯で薬剤を洗い流してください。
ワイヤーブラシで対処
ワイヤーブラシは、奥にある汚れやつまりを直すのに役立ちます。ブラシを差し込んで、何回かに分けてハンドルを回していくことがポイントです。汚れをかき出し、つまりを解消してくれる優れたアイテムです。
種類や仕組みを理解してトラブルに対応してみましょう
いくつかの種類が存在しているため、まずは家庭にある種類を確認してみましょう。種類によって細かい仕組みや構造が異なるため、つまりの対処を行う際は、構造や特徴を理解してから作業をはじめることがおすすめです。
また、ワイヤーブラシやパイプクリーナーがすぐに入手できないときは、タオルやペットボトルなどで緊急対策を試してください。軽い症状であれば効果があるはずです。しかし、頑固な汚れや破損などは業者に依頼してください。
専門知識のある方がトラブル対応を行うことで、スムーズに解決できます。自分で行うか、業者に依頼するなど、さまざまな対応策を考えてみましょう。
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