水のコラム
トイレタンクの交換時期、費用と方法をチェック!
トイレのタンクは陶器などの丈夫な素材でできているため、長年使い続けているという方も多いでしょう。ただ、ずっと使っていると何らかの不具合が生じることがあります。
そこで今回は、タンクの交換を検討するタイミングについて解説します。どういった場合に交換を検討したらよいか、具体的に見ていきましょう。交換にかかる費用や取り替え方法、日頃の掃除方法についてもご紹介します。
トイレタンクを交換するべきタイミングは?
トイレに不具合が生じた場合、タンクに原因があるケースも多く見られます。タンクの交換を検討する4つのタイミングをご紹介します。
■ヒビ割れが生じたとき
一般的にタンクは陶器や樹脂でできており、丈夫な素材でつくられています。通常の使用の中でヒビが入ることはあまりないものの、使い方によってはヒビや割れが生じることがあります。
たとえばタンク内を清掃しようとフタを持ち上げるときに誤って落としてしまったり、重たいものをぶつけてしまったりすると、強い衝撃が加わってヒビ割れることがあるのです。
■結露防止剤が膨張し戻らないとき
陶器製のタンクでは内部に結露防止用の発泡スチロールなどがはめ込まれていることがあります。
長年使っていると、結露防止剤とタンクの間に水が入り込み、結露防止剤が膨張してタンク内が狭くなることでタンク内の部品の動きを妨げてしまうことがあります。
部品の動きが鈍くなることで、水が止まらないなどのトラブルに発展することもありますので、注意が必要です。
■不具合が増えてきたとき
タンクの中には、ボールタップや浮き玉、フロートバルブ、オーバーフロー管といったさまざまなパーツが入っていますが、これらのパーツは、おおよそ7年~10年くらい経過すると劣化してくるといわれています。
設置から年数が経過して古くなると、さまざまな不具合が出るようになります。不具合が出る度に細かな修理や部分的なパーツ交換をしていると、結果的に費用がかさんでしまいます。
タンクの交換時期としては、おおよそ15年が目安とされているため、不具合が増えてきたら思い切ってトイレタンクごと交換することを検討するのも1つの選択肢です。
■修理用パーツが手に入りにくくなったとき
タンクの不具合の原因がパーツであった場合は該当のパーツ交換で修理できますが、古いトイレだとパーツの確保が難しいケースがあります。
一般的に製品の製造が終了して7年ほど経過すると、メンテナンス用のパーツの製造も終了するとされており、その場合はパーツが見つからない可能性が高くなります。
必要なパーツが見つからなければ、タンクごと、もしくはトイレごと交換する必要があります。トイレタンクのみで交換できるのは、設置から10年未満が目安です。
10年以上経過すると、トイレメーカーが製造中止していることが多いため、交換できるタンクが見つからない可能性が高まります。
トイレタンクを交換する際の費用目安
タンク交換を業者に依頼する場合の費用は、おおよそ5万円~10万円が目安です。古いトイレなどでタンクのみの交換が難しく、タンクと便器をまとめて交換する場合は、おおよそ15万円~30万円かかります。
タンクとトイレも交換する場合、タンクレストイレを検討する選択も有効です。タンクレストイレに交換する場合は、20万円~35万円が目安となり、タンク付きトイレよりもやや高めです。
和式便器を洋式に変える場合は、取り替え費用に加えて解体工事や配管の工事なども付随します。段差を設けて和式の便器を設置している場合は、段差をなくす工事が必要なケースもあります。
トイレタンク交換の方法
今回は、タンクが便器の上にある「密結タイプ」のトイレタンクの交換手順を解説します。
■タンクや工具を用意する
基本的にタンクと便器はセットになっています。同じメーカーだからどの製品でもよいというわけではありません。
タンクに貼られているシールなどでメーカーや型番を確認し、メーカーや販売店へ在庫の問い合わせや、インターネットで同じものを探すなどして、交換可能なタンクを用意します。
タンク交換に必要な工具は、マイナスドライバー、モンキーレンチです。
■止水栓を閉めてタンク内の水を抜く
タンク内に水が入らないようにするため、タンクにつながっている給水管の止水栓を閉めましょう。ハンドルタイプは手で開閉しますが、ハンドルなしのタイプはマイナスドライバーを使い、右回りにひねると水が止まります。
閉める際はどれくらい回したかを覚えておくと、後で止水栓を開けるときの目安になるでしょう。
止水栓を閉めたら、通常水を流すときのようにレバーを動かし、タンク内の水をすべて抜きます。底に少し水が残った場合は、タオルなどを使って拭きとりましょう。
■タンク本体を外す
タンクにつながっている給水管や、トイレにタンクを固定している密結ボルトを外します。モンキーレンチを使ってナットやネジをゆるめ、タンクを外しましょう。
タンクは重たく、強い衝撃が加わると割れてしまうため、持ち上げる際には注意しましょう。
■新しいタンクの取り付け
新しいタンクを置く際は、元の位置に戻します。密結ボルトのナットを締めてタンクを固定しましょう。
ここで注意が必要なのが、左右のナットを交互に少しずつ手で回していくということです。片締めせず、左右のバランスをとりながらナットを締めることで、タンクが割れるのを防ぎます。
また、モンキーレンチを使って締めるのは最後のみです。タンクが固定できたら、新しいタンクに給水管も取り付けましょう。
■止水栓を開ける
止水栓を開けてトイレのレバーを動かします。給水管との接続部分やタンクの下などから水漏れがないか、水が正常に流れるかどうか確認しましょう。
■古いタンクの廃棄
重く、大きなタンクは、通常のゴミのように捨てることができずに処分方法に困る場合があります。
不用品回収業者や、産業廃棄物の処理業者へ処分を依頼したり、住んでいる自治体に相談したりして、正しく廃棄しましょう。
トイレタンクを長持ちさせる掃除方法
トイレタンクを長持ちさせるには、日頃のお手入れも大切です。タンク内が汚いと、嫌なにおいの原因にもなってしまいます。こちらでは、タンクの掃除方法についてご紹介します。
■タンク内のカビや汚れを落とす方法
掃除中に水があふれることを防ぐため、まずは止水栓を閉めます。タンクのフタを外し、安定した場所に置いておきましょう。
スポンジやブラシにトイレ用の中性洗剤を付け、タンクの内側をきれいにします。広い面にはスポンジ、手の届きにくい部分には柄付きブラシ、細かい部分の汚れを落とすには歯ブラシが便利です。
強アルカリ性や酸性の洗剤はカビ除去に効果的とされていますが、タンク内のパーツを劣化させてしまう可能性があるため注意が必要です。
また、汚れを落とすために熱湯をかけるのも止めましょう。タンクは陶器製のものが多いのですが、熱に弱いため熱湯をかけるとヒビや割れの原因となる可能性があります。
汚れを落としたら、止水栓を開けてタンクに水を貯め、レバーを回してタンク内の汚れをすすぎましょう。
■汚れの付着を予防する方法
タンク内の汚れやカビ予防をして、きれいな状態をできるだけ長持ちさせましょう。汚れ防止に便利なのが重曹です。
重曹は汚れを浮かせる効果や、消臭効果が期待できます。タンクの中に重曹を適量入れて6時間程度放置しておき、その後水を流しましょう。
つけ置き中は水を流せないため、外出中や就寝中などトイレを使わない時間帯を選んで行うのがおすすめです。
タンクの上に設置するだけ、もしくはタンクに入れておくだけで洗浄してくれるタンク専用の洗浄剤もあります。
タンクにヒビ割れが生じた、結露防止剤が膨張して戻らない、タンクの不具合が重なるといった場合は、トイレタンクの交換を検討しましょう。
まとめ
古い製品の場合は、タンク内の部品の調達やタンク自体の入手が困難なケースもあります。タンクの交換を自分で行うと設置費用を抑えられるといったメリットもありますが、交換作業が困難であったり、古いタンクの処分に困ったりする場合があります。
交換できるか不安、取り付け時の不具合によるトラブルが心配などといった場合は業者に依頼しましょう。
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